1DK 開発ストーリー #2 「 制作 」

 “ I don't know ” から始まる新たな発見と革新の出発点

“個性を惹き立てる”をコンセプトにリリースした「1DK」 。本記事では発売までの誕生背景を、ブランドを牽引する株式会社pad代表 廣田へのインタビューでご紹介します。今回は1DK製品化へのこだわりをテーマにした「#2 制作」編です。

 

ー 前回では、1DKを形成する起源をインタビューしましたが今回はプロダクトの本質に迫っていきます。まず、バルク(中身)制作をスタートされたのはいつ頃でしょうか?

中身の制作は昨年の年始よりスタートしました。たくさんの美容師の皆様の声を忠実に形にしたいという思いから、春頃には鞄の中に、バルクの試作、資料、容器にコピー機で印刷したラベルイメージを貼って毎日持ち歩き、細かなアドバイスやご意見を取り入れていきました。

  

ー リリースアイテムはスタイリング剤でしたが、剤のこだわりはどのようなところにありますか?

スタイリング剤としてのこだわりは「髪のなじみ」に注力をしました。

自分たちが思い描く質感に近づける為に何度も試作やテストを繰り返し、緻密な配合成分のバランスで現在の使用感があります。

そのような繊細な中身だったのでラボで小さく作ることと、工場の大きい釜で作ことでは使用感にブレが生じ、分離したり、固まらなかったりと何度も壁にぶち当たり、もう出来ないかもしれないと不安と悔しい思いを経験しました。

それでも諦めなかったのは、たくさんの方達に励まして頂いた事だけでなく、1DKを完成させたいという思いに共感頂き、多くの方にご協力頂く事で完成させる事が出来ました。

 

 

- 今回の3種のプロダクトごとのこだわりがあればお願いします。

オイルは重すぎ軽すぎず髪への馴染みと束間の細かさやパーマスタイルでも使えるオイルに仕上げています。スタイリング前のベースで髪の質感を作るなどもおすすめです。

ソルベは自身がバームワックスを良く使っていたのですが、朝スタイリングすると夕方には油分でベタっとするのが嫌で、パワダー成分を配合し時間が経ってもベタつかず自然なツヤ感をキープできるように仕上げています。

ドロップはパーマやクセ毛に特化したスタイリング剤として、ウォーターベースで少しセット力をもたし、仕上がりはオイルでスタイリングしたかのような艶感を意識しています。アップスタイルなどにもお使い頂きやすいプロダクトに仕上げています。

 

製品中身以外でのこだわりはありますか?

プロダクトを作る上で環境に対する責任感と、持続可能な未来への希望を示したく容器にも徹底的にこだわりました。

容器の瓶は再生原料瓶で、プラスチックはバイオマスプラスチックを配合した容器を採用しました。

また、ラベルのインキやチャームに再生可能な植物由来の油と、廃食用油等をリサイクルした再生油を含有したベジタブルインキを使用しています。

チャームの素材は食用では使えなくなってしまったお米などとFSC認証を取得したパルプを混ぜ合わせて、紙素材にアップサイクルされたものを取り入れています。

 

ー さいごに。今後のビジョンなどはありますか?

1DKシリーズは形に出来た製品を100% の完成品と思わず、たくさんの美容師の皆様やお使い頂くお客様のご意見を反映して、より良い製品へとアップデートしていきたといと考えています。 

ブランド名の起源である「 I don`t know 」という感情が、より良い製品に出来る可能性に繋がっているのではないかなと笑

そして、春にはヘアケアラインも誕生予定です。

製品化に向けてたくさんの思いを詰めて進行しておりますので、楽しみにして頂ければ嬉しいです。

プロダクトを生み出すの姿勢は、ただ単に「バズる」や「流行る」ことを目指すのではなく、私たちの情熱を追求し、その結果として生まれるプロダクトを通じて、社会に貢献したいという強い意志があります。プロダクトの成功だけでなく、その背後にあるストーリーや価値観に感動と共感を呼び起こせるよう、ブランドと共に成長していきたいと思います。

 

続いて#3は3月中の掲載を予定しております。

 

廣田 雅人 / Masato Hirota
美容室専売メーカーで15年間勤務する。営業の傍ら、商品の企画開発責任者として5つのブランド立ち上げ、250以上の商品をマネージメントする。ブランドのネーミング、商品テスト、マーケティング、企画などの主要業務をプロデューサーの立場で取り組み、代表ブランドは国内のあらゆる媒体で受賞すると共に、代表商品は某コスメアワードにて2018年より3年連続グランプリを受賞し殿堂入り商品となる。多角的な視点と様々な経験を強みに、美容業界で新たな挑戦を志し2022年に株式会社padを設立する。